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育成年代でのチーム立ち上げ 2 〜どこから建て始めるのか?〜

前回に引き続き、チームを立ち上げる、をテーマに話を進めていきたいと思います。

さて、新シーズンが始まります。このプレシーズン期間でまず何に取り組みましょうか。日本の皆さんの現場事情が僕のケースとどこまで共通しているのか。少しそこが定かでないので、はっきりと今回の内容は皆さんのケースに当てはまるか分かりません。僕の場合は立ち上げ後、だいたい約6,7週間後に公式戦初戦が控えています。それに向けて戦えるチームに仕上げていかなければいけません。限られた時間を効果的にプランニングしていくことが求められます。今回はそんな中で、どのようにチームをベースを作っていこうかという話をしたいと思います。

サッカー面「以外」でのベース作り

気をつけなければいけないこと。それはいきなりサッカー面に突入しようとしてしまいそうになる自分を一度落ち着かせることです。なぜなら、まず取り組むべきは、サッカー以外の分野にあるからです。サッカー面以外でのベース作りを怠ってはいけません。この基礎づくりをなくして頑丈な家は建ちません。サッカー面を強化したければしたい程、選手のサッカー面の学びを豊かにしたければしたい程、サッカー以外の分野に着手しなければいけません。

ベースという言葉を使いましたが、これは言い換えると、我々指導者が日々の活動の中に常に見たいと思うものです。最低限守らなければいけないものとも言えるでしょう。例えばそれは、集合時間についてかも知れません。道具の準備についてかも知れません。それは着用するウェアについてかも知れません。シーズン初めに着手すべき対象はそういった「最低限」のテーマです。このベースが今後学びが生まれる為の前提条件となっていきます。逆にここがしっかり整っていないと、シーズン途中に緩みが出てきたり、チーム内に治安の乱れが生まれた際に、立ち返ってチームを整えることが難しくなってしまいます。

ここでも改めて自覚すべきは、我々はサッカーの専門家である前に、学びに寄り添う教育者であるということ。勝利へのこだわり、サッカーへのこだわりも大事です。しかし、それよりもまずは、道徳心が豊かで、誠実で透明感のある人間でなければいけないと強く思います。

サッカー面でのベース作り

では最初の数日はこのようなサッカー面以外だけに取り組むのか、と言ったらそんなことはありません。もちろん、同時にサッカー面にもアプローチしていきます。ただベース作りをするという意味では同じことをしなければいけないでしょう。僕の場合は守備面に着手することを皮切りにプレシーズンをスタートします。これはチームを構築していくという観点からもそうですし、学びを創出するという観点から見ても、強度の高い良いトレーニングを日々行っていく上で下地を作る上で大事なことだと思っています。

では守備面と言っても何から取り組んでいきましょう。いきなり具体的なコンセプトの話をするのは避けるように個人的には気をつけています。まずは概念的な話から。守備とは何なのか?なぜ守備を行うのか?そういった前提を知ってもらわなければいけません。例えばこんなものでしょか。

「守備というのはチームの構成員全体でシェアされるものであるということ」

「そしてそれは決して楽なものではないということ」

「ここには各個人における約束、そして労働が必要になるということ」

こういった守備の前提条件を初めに共通理解として選手に持ってもらいたい。そこから少しずつ具体的なコンセプトを落とし込んでいくわけですね。それは例えば「コンパクトなブロック形成がなぜ必要なのか」であったり、「フィルターパスを防ぐその理由」であったり、「その為の選手間の距離感」であったりetc。このように他のコンセプトも同様ちょっとずつ選手達の中に苗を植えて育ていきます。

ベース作りにおける応急処置

そしてこれはこの時期のあるあるですが、チームを立ち上げて、守備に偏ったアプローチをしていると発生する問題があります。それは、まだしっかりトレーニングできていないマイボール時の局面にてミスが多発します。ボールを持った段階、もしくは味方がボールを持っている時の判断が悪いことが原因です。結果、トレーニング全体のクオリティが落ちてしまいます。これでは肝心の守備面の良いトレーニングができません。かと言って攻撃面を改善することもまだベースができていないので難しい。どうしましょうか。

そういう時はある意味応急措置が必要です。前述のケースを避ける為にも、ボール保持者側にしっかり数的優位性を与える必要があるでしょう。そうすることで、攻撃面でのベースが整っていない段階でありながら、守備面に適切な負荷を掛けることができます。そうして最低限の守備のベースができてきた時に、初めて攻撃面のベースに着手することができてくるわけですね。

このように今回はチームを立ち上げる際に何に取り組むのか、そしてその際の留意点について考えてみました。次回はその中で、選手側の学習スピードをテーマに話をしたいと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

イニゴ・ロペス

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