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スペインでチームを率いる19-20(10) コロナ以降も使えるアプリ

皆さん、こんにちは。少し、間が空いてしまいました。日本はJリーグの再開も決まりましたね。育成年代のチームも練習をし始めていると聞きます。嬉しい兆しですね!改めて、チームで活動することの喜びを噛み締めているタイミングなのではないでしょうか!?こちらスペインのサッカー現場にも動きがありました。こちらは残念ながら、大人の1部、2部を除いて全て活動が中止が発表されました。シーズン終了、「強制終了」です。なんだか寂しいです。

Kahoot!(カフート)

前回の記事で、自粛生活の中でできることについて考えました。選手達に「面白い!」と思ってもらう為に、どうしたらいいのか?と。その中で、もしかしたら皆さんの現場でも使えるかも!というものを見つけました。なので、ここで共有したいと思います。まだ馴染みがない、という場合は、以下読んでみてください。

それはノルウェーで生まれた4択クイズアプリ。その名もKahoot!(カフート)。スペインでは教育現場にも取り入れられています。僕が指導する選手24人はそれぞれ全員が異なった学校に通っています。そのメンバー全員が、既に学校でこのアプリを使った経験がある、とのこと。なかなかの普及率の高さを意味します。

このアプリ、使ってみた感想は「コロナが終わっても使えるな」というもの。例えば、悪天候でグランドが使えない時。こう言う時に、スマホさえあれば、自宅からのリモートでも、どこかに実際に集まってでも、どちらでも使えます。

その特徴は、

・楽しい

・わかりやすい

・競える

・無料

・チームを強化できる

出題例

百聞は一見に如かず、ということで、実際の使用例を紹介します。

【質問1】間違いを選びなさい。ニアポストに詰める際の留意点は? (クロスの攻防) 2

赤 )前もってニアから離れ、マークの視野から外れる

青 )できるだけ早く動き出す

黄 )ボールホルダーの状況を見て動き出す

緑 )時に相手を連れていく判断も大切

こんな感じです。イメージは伝わったでしょうか。質問と4つの回答を僕たち指導者が作ります。選手達はそれを見て、スマホに表示されたボタンを押すだけ。これだけです。簡単ですよね。

このアプリが良いのは、一度に多くの人数での参加ができると言うこと。そして個人戦だということ。できるだけ早く回答した方が、同じように正解を選んだ人よりポイントが高くなります。各質問が終了する毎に、参加者全員の得点がすぐに集計され、ランキングが発表されます。競争心が駆り立てられ、盛り上がります。また出題側には様々なデータが届きます。例えば回答者が何を選んだのかも全てわかります。

この記事では、あまりアプリ自体の技術的な説明に集中しないようにしますね。もし、興味を持たれた方はご自身で検索してみてください。ネット上に多くこのアプリを紹介したのページがありますので。

サッカー現場での使い方

このアプリ、スペインの学校現場で使用されている、と書きました。その主な用途は2つです。それは「導入」と「おさらい」。導入ということで、授業が新しいテーマに入る際、そのきっかけづくりに使われているそうです。おさらいでは、あるテーマを終えた際に、小テスト感覚で使われるそうです。

ではサッカー現場では、と言うと。今回の出題例からも分かる通り「おさらい」に向いていると思います。逆に「導入」には向いていません。その理由は前回の記事で触れました。実技ができない状態で、何か新しいものを学ぼうとするのは無理があるから。「サッカーがお勉強になっていけない」と言うことでした。あくまで、一度ピッチで身体で覚えたことを、再度思い出させる、ということが目的です。

そして、できるだけテーマを一つに絞った方がいいでしょう。一つテーマを選び、それをじっくり皆んなで思い出す、というのがいいのかなと思います。そこで気をつけるのは、各々のポジションからそのテーマにアプローチできるよう出題すること。

例えば、テーマを「クロスの攻防」にしたとします。先ほど紹介した質問は、詰める選手、向けの出題でした。そうであれば、それに続く質問も同じ「クロスの攻防」を扱いながら、でも他のポジションから考察できるものを作ります。例えばこんな感じです。

質問1 : クロスに詰める選手向け

質問2 : クロスを上げる選手向け

質問3 : クロスの守備に関わる選手向け

質問4 : クロス攻撃時の中盤の選手向け

質問5 : クロス攻撃時の後方の選手向け

質問2以降の具体的な質問例も用意しました。それらは、この記事の一番最後に載せておきます。もし、興味があれば見てみてください。全て実際に自チームの選手に向けて使った問題です。

オリジナルでないといけない

出題中には、シンキングタイムがあります。10秒か20秒か、出題する側が選べます。この間に、指導者が選手に働きかけることも大事だと思います。

例えば、「これやったよなぁー」とか「何回も練習したよねー」とか、でしょうか。またその中でも特に、該当する選手の名前を呼ぶことも大事です。プレッシャーをかけるんですね。「この問題は誰々(〇〇、◆◆、☆☆)には正解してほしいなぁー」と。

そして、大事なタイミングがあります。それは各質問の回答が終わった後。ここで、指導者からその解答について説明を入れます。ここがただの楽しいゲームと、サッカーチームの活動の違いです。その質問内容に注意が喚起されているそのタイミングで説明を入れます。そうすることで記憶に残りやすくなるでしょう。

いずれにせよ、ここでの質問は、全て皆さんのオリジナルでなければいけません。他の指導者が使った質問をそのまま自チームに取り入れるのは難しい。何故なら効果が薄いから。あくまでこれは「おさらい」です。これまで皆さんが大事にしてきたコトを確認する時間です。その中で皆さんが使う言葉はそれぞれ違いますし、そのアプローチも違うはず。おのずと出題内容もオリジナルである必要があります。そうでないと、選手が記憶の綱を手繰り寄せて、サッカー場での感覚を思い起こせなくなります。

チームビルディングにも使える

テーマは決して戦術・技術に関係したものに限りません。例えば、チームビルディングに関するものも、有りだと思います。これまでチーム活動の中で、取り組んできたことなら何でもOKです。例えば、遅刻について。僕は自チームでこんな質問も出題しました。

【質問】間違いを選びなさい。「なぜ時間を守らないといけないのか?」 6

赤 )時間通り来ている味方に対する敬意

青 )いつも細部に拘る戦いをしているから

黄 )罰を受けたくないから

緑 )いい状態でトレーニングに臨めないから

遅刻。自チームでも何度も時間を割いてミーティングしてきました。これはどのサッカー現場にも起こることです。ただ、ちゃんと向き合えば、「良い」イベントになります。各個人の意識を高めたり、チームを強化したりすることに繋がります。特に育成年代で。

みんな遅刻が良くないことは知っています。でも、そこで思考停止している場合が多い。「遅刻はダメだ!なぜなら?・・ダメなものはだめだから!」という感じです。それはなぜダメなのか。それがどう試合への勝利につながっているのか。それを本当に理解しようとしながら活動するチームは少ないです。我々育成年代の指導者は、サッカーの勝利やパフォーマンスと結びつけてアプローチすることが大事だと思います。

後、これはスペインあるあるかも知れません。「ちょっとやねんからえーやん!」ていうやつです。「2、3分くらい誰にも迷惑かけてないやん!」と。勿論、口に出しては言いませんが、顔でそう言われることはよくあります笑。これほっておくと、指導者の求心力の低下に繋がります。「あの監督、意味わからん」となります。「塵も積もれば・・」のきっかけになってしまうことに気づいたので、ある時から時間をとって説明するようになりました。ただ、ここでも「試合での勝利」からアプローチしないと、選手はわかってくれません。こちらスペインでの多くのチームは罰則を設けて終わります。

このように皆さんが、時間をかけて取り組んできた、チームビルディングの一部を出題すること。これも良い使い方だと思います。このアプリがいいのは、ゲーム感覚なので入りやすい、ということ。でも勝負がかかってるのでちゃんと考えます。なので、身につきます。

このように、今回もコロナ危機下で、チャレンジした取り組みの一つを紹介しました。その名もKahoot!(カフート)。これはこれからコロナ問題が落ち着き、活動が再開された後も、皆さんの活動に取り入れらるものかも知れません。すごくシンプルです。英語のページですが、大丈夫。僕は英語が苦手ですが、本当に少しすればすぐコツを掴めました。まだ知られてない方は、試しに使ってみてください。雨の日とかに使えると思うんだけどな。どうでしょう。

というわけで、最後まで読んで下さりありがとうございました!

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補足)参考までに

以下は、先ほど紹介しきれなかった具体的な出題例です。もし興味のある方がいれば目を通してみてください。テーマは「クロスの攻防」。様々なポジションからアプローチできるようにしています。

【質問2】間違いを選びなさい。クロスを上げる際の留意点は? 1

赤 )顔を上げながら情報を得る 

青 )アドバンテージのあるエリアを見つける

黄 )キックの種類を複数持つ

緑 )常にクロスは強く

【質問3】間違いを選びなさい。クロスの守備における留意点は? 3

赤 )GKはディフェンダーが入ってはいけない自分のエリアを示す。

青 )フェーズ1:DFは情報を得ながら自分のゾーンに向かう。

黄 )フェーズ2:DFはボールにアタックする。体をぶつけながら。

緑 )ニアとファーでは守るエリアのサイズはニアの方が大きい

【質問4】間違いを選びなさい。チームがクロス攻撃をしている時の、中盤の選手の留意点は? 

4赤 )一人はこぼれ球。もう一人はCBと連携してリスク管理を。

青 )状況によっては一人はヘディングで詰めに行ってもいい。

黄 )リスク管理をする方はCBの蓋をする。

緑 )こぼれ球へ向かう方は、シュートする際には結構な時間を与えられるだろう。

【質問5】間違いを選びなさい。自チームがクロス攻撃をしてる時、GKとDFは? 5

赤 )「最後のディフェンダー」は誰なのか確認する。

青 )GKは近い方のCBの背後をよりケアするポジショニングを取る

黄 )どのMFが蓋になるのか確認する。

緑 )逆サイドのSBはいつでも絞っているべきだ。

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