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リーガを観て指導する 第4節

BET-GRA 試合の構造を読んで的確な交代を行う

非常に興味深い試合でした。グラナダの前線はギラギラした若く野心たっぷりのタレント達(Carcela 、Ponce、 Azilli 、Andrea Pereira)にもはやもうベテランの仲間入りしつつある殺し屋ことAlberto Buenoの5人が創造性溢れる攻撃でベティスを圧倒します。で前半35分から大きく展開が変わります。特にCercelaの切れ味鋭い個人技でグラナダが2得点。流れを変えるべくベティスのベンチは動きます。ベルギー国籍の19歳アタッカーMusondaを投入。この交代が試合の流れを大きく大きく変えることは誰が予想したでしょうか。彼の投入を境に大げさなくらいベティスがチャンスを創出するようになり、それまで「押せ押せ」だったグラナダが防戦一方の状態に。まさに交代が当たったわけでね。

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ではなぜここまで試合が変わったのか。2つあるでしょう。1つはメンタル的なもの。先に2点を取った新しいグラナダは少しリズムが落ち、その交代直前にベティスが一点を返したことで、Musondaがピッチに現れた時にはベティスが試合を引き戻す土壌ができつつあったことは確かです。しかしそれだけではここまでの変化は起こらなかったでしょう。明らかに戦術的ポイントがこの流れの変化に大きな影響を及ぼしました。それはベティスがプレーモデルを変えたことが理由です。システムを変えたというよりはプレーモデルを変えたと言えます。433でポジションアタックを趣向していた前半立ち上がりからアンカーであるFabianをピッチから出して中盤をPetroとBrasanacの二人に。右ウィングだったJoaquinをトップ下にしてMusondaを右サイドウィングとして起用。システムでいうと433から4231への変更です。ここで何が起きたのか。それはサイドに位置しながらゲームメイク能力の高いMusondaは状況に応じて中央に入ってくることでその空いたスペースに攻撃的右サイドバックPicciniと右サイドの職人Joaquinが吸い込まれるようにそこにどんどん関わっていきます。つまり自分たちのポジション優先するポジションアタックからどんどんスペースに関わっていく縦に関わっていくアタックに変わったわけです。またMusondaの運動量は交代させられたFabianの1.5倍はありますのでその分攻守において人数が増えた感があったことも重要なポイントでした。

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まさに試合の流れを変える素晴らしい交代カードだったと思います。改めて指導者が如何に試合中に試合の構造を速く読むことが大事なのかを教えられました。そしてそれだけではなく速く行動に移すこと(指導者の判断)が如何に重要かも改めて教えられました。

LPM-MGA 教本のようなセンターバック

セビージャがあんな風になってしまっている今、間違いなく現在スペインリーグで一番面白いチームがラスパルマスです。皆さん、ラスパルマスがむちゃくちゃ面白いですよー。何がいいって理由は3つあります。まず技術の非常に高い選手たちが(センターバックがすごいですよ)揃っているということ。またKike Setien監督の目指すポゼッションサッカーのアイデアを背景に各選手がしっかりとした個人戦術を備えているということ。そして最後は高いプレーリズムで戦うことができるということ。だからかなり強い。ただ単にうまいだけじゃないから頭に残る印象は「強い」なんですね。 このラスパルマスに欠かせないセンターバックPedro Bigas。

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ビルドアップをやらせたら今のリーガではきっと4本の指には入るでしょう。バルセロナのPique、ビジャレアルのVictor Ruiz、ビルバオのLaporte、そしてBigas。彼の場合は鋭いパスで際立つといよりは全てを持っている言いましょうか。特に判断の良い縦へのドリブルで相手を固め味方をフリーにしたり、長短を織り交ぜたパスで、外から見てる我々が「こうするべきだ!」と思ったことをミスなくやってくれるセンターバックです。こんな選手が自チームにいたら、、、最高ですね。まさに子ども達にとって教本のようなセンターバックです。

ESP-RMA ゴール前の守備はいつも中央を閉じなければいけないの?

ESPANYOL 16/17  REAL MADRID 16/17

エスパニョールのホームにRマドリーが乗り込みました。RonaldoやBaleは違和感があるため招集外、Kroosはスタメンから外れ、433ではなく4231の布陣で臨みました。Jamesがトップ下。CasemiroとModricによるダブルボランチ。ボールを持ってゲームを支配することに非常に苦労します。それに対して今季お馴染みとなった442でしっかりブロックを作って速攻を仕掛けるエスパニョール。 Rマドリーの2ボランチは平行な関係でプレーしていて前へのはっきりとしたパスコースはありません。スペースをうまく埋めることができていませんでした。ポジション的にも戦術的にも全くアドバンテージがない状況下でJamesのゴールが生まれます。自陣でボールを奪ってスペース目掛けてアタックしようとしてたエスパニョールにとってスピードがあるPiattiを前半10分に失ったのは痛かったですね。最後にディベートになる題材を。

「中に追い込むべきか、外に追い込むべきか。」0-2となったRマドリーのゴールについて見てください。皆さんがエスパニョールであれば、どう守りましょうか。数的にはエスパニョールの守備的数的有利な状態。しかしその優位性をうまく利用できなかったシーンです。結果的にディフェンスライン4枚は後ろに走らさせられ、Benzemaにスペースと与えてしまいます。間違いなく言えるのはこん状況では例え相手がRマドリーであれ絶対失点してはいけないということ。もう一つはエスパニョールの左サイドバックVictor Sanchezは中央に寄り過ぎていたということ。エスパニョールはこの状況で中央を閉じて相手を外に方向付けます。しかしサイドを突破されてクロスから失点します。果たしてこの状況下で外に追いやる判断は正しかったでしょうか?サッカー界では皆「ゴールは中央にあるからね!」と言いながらこの手の状況下では相手を外に追いやることが常識であり定石となっています。しかし状況に応じてどうしてサイドバックが外を切って中で奪うことができないのでしょう?

 

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