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リーガを観て指導する 第2節

インターナショナルウィークが終わりリーガが再開します。その前に前節の模様を少し見ていきましょう。

明確なオサスナ。迷走するレアル・ソシエダ

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ゲームは非常に両者の攻防の激しいオープンな試合になりました。オサスナは昨年二部から昇格した際に適用していたのと同じ532を使っています。彼らの532は完全なリトリートスタイルではなくしばしば相手陣地に乗り込んでプレッシャーをかけます。それは彼らの攻撃の一つでもありますね。守備組織の構築は非常に学ぶものがあります。エンリケ・マルティン監督。限られた資源を使って、非常によい仕事をしています。そんな中でも地元選手を多く採用しようとするその姿勢も、チームに強いアイデンティティを与え集中力の高い粘り強い守備を表現することに繋がっています。一方レアル・ソシエダは非常に残念なサッカーを続けています。レアル・ソシエダはイジャラメンデイを中心に自陣からボールを保持することをベースに前進しようとします。エウセビオ監督になった昨年からよりその色が濃くなりましたね。しかし全くよくありません。獲得した2つのゴールは共にダイレクトプレーからでした。

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エンリケ・マルティン監督の試合の構造を読むチカラも興味深いものがありました。守備的に戦っていた前半とより攻撃的に試合を進めたい後半途中で中盤の2人の選手のポジションを変えました。一人はよりフィジカルに恵まれゴール前に駆け上がりクロスに詰めることも得意なオイエル。もう一人はより左利きでボールタッチに優れ長いパスを出すことのできるフラン・メリダ。前半はオイエルを中盤の底に、しかし後半は彼を前にそしてフラン・メリダを中盤の底に配置、ビルドアップを容易にしチームの態勢を前に傾けていきました。2トップを同時に替えより動きのあるアタッカー2人を同時に投入することでより前線での動きを作っていく作業も興味深かったですね。チームとしての完成度の違いがはっきりと見えた両者の戦いになりました。

戦術家と優秀なCFを抱えるレガネス。サイドバックに頼るアトレティコ・マドリー。

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80年のクラブの歴史の中で初めてスペイン1部リーグで戦うレガネスはこの日はホーム開幕戦です。現在ヨーロッパ準優勝チームのアトレティコ・マドリーを完封。開幕戦と同様、しっかりとした守備の構築が際立つチームだということがわかりました。アトレティコ・マドリーは改めてポゼッションアタックが苦手であることを露呈します。シメオネ監督は試合後の記者会見で得点不足を原因に挙げていましたが果たしてそれだけでしょうか。しっかり守備の構築をしてきたレガネスに対してフアンフランとフェリペルイスの両サイドバックによるチャンスメイクに頼っていました。また「一部に残留したければもっとチャンスを作らなければいけない」と引き分けという素晴らしい結果にも満足していないアシエル・ガリターノ監督が様子が印象的です。「無失点に抑えた理由は組織として機能したからではなく、人数をかけたことだった。」という言葉からは非常に戦術に傾倒した監督であることが伺えます。

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注目はセンターフォワードのミゲル・アンヘル・ゲレーロ。前節、今節ともに非常に高いレベルのセンターフォワードであることを見せつけています。特に背後へのプレーに関するキャパシティが非常に高いですね。また彼の前線での動きは子ども達へのお手本です。ボールの移動中にしっかりとスペースを作りそれを自分自身もしくは味方に使わせる。素晴らしいセンターフォワードです。

ラスパルマス、これぞポゼッションサッカー。お株を奪われたパコへメス。

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「こんなパコ・へメスのチーム何て見たくない!」と声が聞こえて来そうな戦い振りのグラナダ。高い位置でのプレッシャーをかけることもなければ、持ち前の頑ななまでのポゼッションサッカーも全く見ることができませんでした。そしてそのサッカーをまさに相手であるラスパルマスがやってくれました。このプロジェクトは限界を知りません。複数のクラブからのオファーを断ってこのラスパルマスのオファーを受けたキケ・セティエン監督は自身の哲学とクラブのプロジェクトが一致したんだと言います。カナリア諸島の出身の選手達の特徴は技術の高さです。そこにキケ・セティエン監督のポゼッションサッカーの哲学が融合し非常に「強い」チームが出来上がっています。

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彼らのスタイルは?と聞かれれば「ロケ・メサだ。」と答えても間違いではないでしょう。それくらいこの中盤の底でプレーする小さなミッドフィールダーの存在はラスパルマスの起点になっています。彼らのフットボールはロケ・メサから生まれます。彼らのリズムの変化も前進も全て彼から生まれます。相手チームのプレッシャーを避ける為のあのドリブルも含め彼がこのチームの舵を切っているのは明らかです。

もはや足元のあるキーパーではなく、グローブをつけたフィールドプレーヤー

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この近年の「ビルバオ-バルサ」が行われるサンマメススタジアムは当に圧力鍋のような存在です。感情に満ち溢れた試合が多くなっています。兎に角このチームの強い味はインテンシティとプレーリズム。これは世界でも最も高いレベルにあります。この異常なまでに激しいサッカーはバルサにより正確にプレーすることを要求します。4-2-3-1で行われるこのプレッシンではピッチ全体に及び、センターフォワードとトップ下の選手でキーパーとセンターバックにプレッシャーをかけていきます。2人の中盤はブスケッツの立っている状況に応じてプレッシャーをかけに行きます。これらのプレッシャーを回避する上で大きな役割を果たしたのがGKのテア・シュテーゲン。このレベルに来るともはや足元のあるキーパーではなく、グローブをつけたフィールドプレーヤーですね。短い距離と長い距離のパスを織り交ぜた正確なプレーと、しっかりボールが来る前に状況を把握している彼はビルドアップの起点になっていました。このドイツ代表キーパーは味方(バルサの選手です)の複数人の選手よりも多くパスを成功させたそうですよ。9 barcaensanmames

この試合を観て改めて感じたこと。それはビルバオのようなオールコートでしっかりとしたプレッシングができるチームと対戦する際は特にキーパーが如何に両足を扱え、そして状況を見た上で間違った選択をしないか、が大事だということですね。

残念なセビージャ

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このセビージャはダメです。僕たちが一週間観るのを待ちわびているセビージャではありません。開幕戦で多くの人を魅了したセビージャではありません。流動性が低く、動きの少ない、そしてライン間でのプレーが少ない、消極的な戦いを披露。ビジャレアルは基本的には4-4-2で低い位置でブロックを組む戦いを展開。時には隙を見て高い位置でのプレッシングを仕掛けます。ビルドアップでの正確性の低さも目立ちました。今節で最も残念だった試合と言っても良いかもしれません。両クラブの持つランクとレベル、期待を大きく下回った試合でした。次節の奮闘を願いましょう。

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