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リーガを観て指導する 第6節

ALV-GRA 見えてきた「コーヒー牛乳」

ディポルティーボ・アラベスが少しずつアイデンティティを構築して行っています。リーグ開幕当初はボールを相手に譲り、只管相手の攻撃を凌ぐだけのスタイルだったアラベス。しかし少しずつマウリシオ・ペジェグリーノ監督が本当にやりたいことが少しずつ見えてきていますね。前節のバレンシア戦に続き今節のグラナダ戦はボールを握ることでゲームを支配しようとする意識が強く見えました。特にグラナダ戦に関しては相手が高い位置でプレッシングを行ってくることを十分に予想していた中でのそのゲームプランニングでした。キーパーのDani Pacheco、中盤のMarcos Llorente (Real Madridからのレンタル)、サイドバックのTheo Hernandez (Atlético Madridからのレンタル)とKiko Femenia (元Barcelona B)という質の高い選手を揃えている中でビルドアップは一部リーグでも十分に使えるものだということを証明してくれています。いやぁ特にこのチームの両サイドバックは本当にレベルが高いです。ALV GRAこういった計画的な戦術的チーム作りを行う上で触れなくてはいけないのはアシスタントコーチXavier Tamarit。ポルトガル、ポルトのVitor Frade教授が創り上げた戦術的ピリオダイゼーション理論をスペインに紹介した第一人者としてスペイン国内では有名なサッカー指導者です。同理論を説明するのは非常に難しいのですが、その中で文化も習慣も異なる新しいクラブで現場を仕切る際に少しずつ変化を起こしていくことの重要性を説いています。それは「コーヒー牛乳」と呼ばれ、牛乳しか飲む習慣のなかった人々にいきなりブラックのコーヒーを飲ませるのではなく、まずは牛乳にコーヒーを混ぜた状態から少しずつ慣らしていくというものです。各クラブには文化や哲学、歴史そしてそれらを背景にしたプレーモデルが存在します。新しいクラブでより良い結果を出そうと思った場合はそれらのファクターを無視してチーム作りをすることはできません。アラベスは守備重視の硬いサッカーから徐々にボールを保持する時間を多くしようとするコーヒー牛乳作戦が形になって見えてきています。

ATH-SEV 迷い続けるサンパオリATHSEV

San Mamesにてスタジアムリーグ戦上位同士の魅力的な対決。おまけにスタイルは違えどお互いが攻撃的フットボールを志向するもの同士のぶつかり合いでした。アスレチック・ビルバオはボールのない時の攻撃的なプレッシングを。常にボールを持って前進しようとするセビージャがそれを回避しようと試みます。システムを初めて4231に変えて臨んだセビージャは相変わらずそのポゼッションに深みを欠く戦いぶりを披露。殆どのポゼッションが自陣で行われ、ビルバオのゴールに迫ることはできませんでした。11人のスタメンの内7人がボールの後ろにいる状態でNasri以外は誰もライン間でボールを受けることができません。60%のポゼッション率というのは意味のない数字で枠内シュートは2本。一方ビルバオは7本でした。Sampaoli 監督は非常に攻撃的なアイデアを持ってスペインにやってきっましたが、徐々にその攻撃性というものが薄れていき今では只単にボールを自陣で握るチームに変わってしまっています。昨日(月曜日)のリヨンとのチャンピオンズリーグの戦いを前に記者会見でこうコメントしています。「近頃のチームのパフォーマンスは残念なもので自分自身も全く好きではないプレーぶりを披露している。」「ポゼッションはもっと意味のあるものでなければいけないし、もっと攻撃的でもっと深みのあるチームを作りたい。」またシステムの変更の可能性があることも話していました。今季のリーガがより面白いものになるためにはSampaoli監督に何としても頑張ってもらいたいのですが。さて今節のチャンピオンズはどうなることやら。

LPM-RMA 怪我をしていないエースを外すという大きな決断LPMRMA

「だからスペインリーグが好きなんだ!」と思われた方も多かったのではないでしょうか。個の突破力では世界ナンバーワンのチームを相手に、ピッチを広く使い、ボールを保持して前進していくこの勇敢さを見ると気がせいせいしますね。ただそれは試合前から予想できていたことで。こっちはびっくりました。ついにその時がきました。クリスチャーノ・ロナウドが交代させられる瞬間が。これまで誰もがやらなかったこと(モウリーニョでもやらなかったこと)をジダン監督がやりました。これは決して気まぐれでやることではありません。ある意味監督側のしっかりとした勝算があってのこと。ロッカールームで何かが起こっている証拠ですね。

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