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リーガを観て指導する 第5節

BAR-ATM バルサが開発した新しいプレス対策

ルイス・エンリケとチョロ・シメオネはこれまで何度も顔を合わせてきました。そしてこの対決の試合構造はアトレティコの試合プランニングに影響されるのもまたお馴染みです。バルサはバルサでスタイルに大きな変化はありません。しかしもう一方は違います。プレッシャーをかける位置やその方法を変えてきます。高い位置でプレッシンをかけることもあれば低いスペースを凝縮するお得意の442ブロックを作ります。そしてこれまでの演出してきたゴールの殆どはバルサ陣地でのプレッシャーから生まれたものでした。今回の殆ど時間はアトレティコが閉じる時間が多かったですね。ただGameiroとGriezmanが担っていた広いスペースは世界最高のセンターバックPiquéと職人MascheranoそしてTer Stegenによってしっかり警備されていました。子ども達に如何に自チームが攻撃している時 に守備をしていることが大事か警備の重要性を伝えるには最高の教材だったように思います。

rakitic goalアトレティコは高い位置でプレッシャーをかけようとしなかったのは引き分けでよかったからでしょうか。それともここ最近バルサが “開発”した対ハイプレッシャー対策によるものでしょうか。その対策は非常にシンプルなものです。433のシャドウ(セカンドトップ)がタッチラインまで開くんですね。バルサという哲学的にも戦術的にも技術的にも徹底してボールを持って前進しようとするチームに対して高い位置でプレッシャーをかけようとするとどうなるか。それは自分たちの全体の重心を前に傾け、全体を押し上げキーパーそして二人のセンターバックにプレッシャーをかけることを意味します(バルサでなければそこまでしなくても皆んな蹴ってしまいます!)。最近のバルサはそこである仕掛けを作っています。同サイドのシャドウ(この試合ではRakiticとIniesta)がウィングとサイドバックの間に移動するんですね。こうすることで相手のサイドバックがプレッシャーをかけられなくなります。

Interiores abiertosこれまでは相手チーム達のサイドアタッカー達は中央にポジションを取ってバルサの中央での数的有利を気にしながら自分が担当するサイドバックボールが渡ろうとするときにプレッシャーをかけていました。最近バルサはその瞬間にシャドウがサイドまで走って外のパスコースを作ろうとしています。そこで外のパスを切ろうものならバルサのサイドバック達はすかさず中に切り込んでいく戦術的技術的キャパシティを兼ね揃えています。非常にオーソドックスな433だと言われるルイスエンリケ監督のバルサの中での特徴的な変化ですね。戦術は現在進行形で進化しています。

RM-VILL 帰ってきたポゼッションビジャレアル!?

bruno  musacchioビジャレアルと言えば442のブロックというある意味の常識となっていた近年のリーガエスパニョーラ。最近2度彼らのユースチームの試合を見ましたが彼らも同じスタイルで戦っていました。2013年にMarcelino Garcia Toral監督が就任して以来そのスタイルがずっと続いていました。そしてこの夏彼の辞任が発表されFran Escribá氏が指揮をとるようになってからも基本的にその流れを引き継いだフットボールが展開されていました。 しかし、今節は違いました。サンチャゴベルナベウに乗り込んだビジャレアルは4141の布陣で自分たちがボールを持って主導権を握ろうとしました。これは非常に嬉しい変化で期待したいところですが、今節だけではなんとも言えません。なぜならレアル・マドリーにボールを持たれない為の策として一時的にボールポゼッションを優先したということも考えられるからです。 442でプレーするとどうしても自分たちのバランスを崩して攻撃しなければいけません。そういう意味では4141システムでボールを握るプレーモデルを選んだことはこの試合を有利に進める上で一時的に使った策であることも考えられます。

franescribaただ今回このテーマを特筆すべきだと思った理由はもう一つあります。それはボールを握るビジャレアル。テクニカルなビジャレアル。をもう一度見たいという願いからです。そしてそれだけのタレントが揃っているじゃないですか。センターバックはMusachioとVictor Ruizビルドアップに向いた優秀な2人を抱え、前にはスペインサッカーを代表するアンカーBrunoが。こんな素晴らしい三角形を保有しながらボールを持とうとしないとは何たる冒涜かと言われ兼ねません。一つ前のラインからはTrigueros とJonathan Dos Santos というパスも運ぶこともできターンすることも全く厭わない優秀な中盤がいます。事実彼らは前半、ピッチを支配し0−1でハーフタイムを迎え、後半ボールを握ろうとしなかったことで押し込まれ引き分けてしまいました。スペインサッカーがより魅力的なリーグであるためにはビジャレアルは最もボールを握るビジャレアルでないと面白くないですよね。それだけの地位(予算規模も含め)にいるのですからね。今後に期待です!

 

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