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トレーニング 〜指導者が存在する理由〜 3

カルロス・テラサス監督の練習 〜スペインで最も勇敢なフットボールはどう作られているのか?〜

ミランダ・デ・エブロという村に行ってきました。その村は僕たちの住むビルバオエリアから車で1時間半くらい場所にあり、スペイン2部リーグに所属するCDミランデスというサッカークラブのホームタウンです。目的はそのミランデスのトレーニングを見学する為です。いえ、ミランデスを率いるカルロス・テラサス監督の練習を見るためと言った方が正しいですね。54歳のカルロス・テラサス氏はこれまで本当に多くの中堅スペインサッカークラブ(2部、3部)をクラブを渡り歩いてきた人物です。正にサッカー監督業というものの酸いも甘いも知り尽くしたような人物と言えるでしょう。またその経験はプロリーグだけではなくアスレチック・ビルバオの育成ダイレクターを務めた経験も持つとうことからもフットボールを理論的見る人であることもわかります。ただこれだけの特徴、であればスペインには他にもたくさんのサッカー関係者がいます。一つカルロス・テラサス氏がその他の指導者を逸脱する大きな特徴があるんです。それは彼が社会に提言するその“哲学”です。業界内に流通する大きなお金と、1世紀に渡り醸成されてきた地元に根付いた熱狂的なファンによって支えられるこのサッカー界は結果に対する強迫観念がクラブ関係者を襲います。ましてやサッカー界から離れると待っているのは経済不況に打撃をうける厳しい社会がまっている現実もまた結果を出すことを大きなプレッシャーをかける存在でもあります。そんなスペインサッカー界で腹を据え勇敢でスペクタクルなフットボールを表現し結果を出し続ける存在、それがカルロス・テラサス監督です。もちろん彼を獲得し、結果が出ない時も続投させようと決断してきたミランデスのクラブ関係者がいることも触れていなければいけませんが。

Entrenoterrazas 彼の率いるミランデスは常に相手陣地にプレッシャーをかけ続け、非常に高いインテンシティでボールを握りながら前進していくスタイルを掲げます。そしてそれを絶対に変えることがないんです。そして謳うことを実践することを一貫させようと言わんばかりに採用するシステムはなんとあの343。343と言ってもウィングハーフがいて時には守備的な布陣にも変化できる343ではありません。ダイアモンド型の343です。攻撃的な姿勢でいなければ全てが裏目に出てしまう“退路を切った”343です。ドラゴボール世代の皆さんにはこういった表現が伝わりやすいかもしれません。プロサッカーの「魔封波」それがダイアモンド型343です。アタック時にはサイドにも中央にも沢山のパスコースがあり非常に魅力的なシステムです。しかし、余りにそれが多すぎてパスコースを探す出し手もパスコースを提供する受け手も消化不良になりボールを失うきっかけを作ってしまう操縦困難なシステムでもあります。そしてボールを失った後はカウンターを準備ししている相手の餌食になる悪夢も待っています。こんな勇敢なサッカーを推進する監督を皆さんはどれくらいご存知ですか?僕たちが知っている限りスペイン内(プロリーグ)では存在しませんし、今ヨーロッパ全土を探しても見つけるのは難しいでしょう。

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僕たちはそんなテラサス氏のチームを去年から追っかけてきていたもののトレーニングを見たことがありませんでした。そこで今回満を持して行ってきたわけですね。トレーニングは正に彼らのフットボールを反射するようなものでした。ポゼッションでは兎に角最大限のプレーリズムを要求していました。そしてシンクロで沢山の修正を強い口調で行っていきます。高い位置でのプレッシャー、パスコースを消していく作業、長いプレーと短いプレー、パスコースを作る、三角形の利用、各プレーの継続性、情報を得た状態でボールを受けるetc。ボールを持っている時も持っていない時も兎に角プレーリズムを最大限に引き出すことを求めていました。メッセージは明確で短いもの。改めて多くのものを感じることができましたし、また見に行かなければいけないと確信しました。皆さん、スペインの村ミランダ・デ・エブロが熱いです。

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