sanse-atletic el 08-11-2014. Foto: Pedro Martinez

自給自足世界一のバスクサッカー 〜欧州下部組織ランキングから見えるもの〜

1位スペイン、2位フランス、3位ドイツ

2014年10月、スイスのFootball Observatoy社の調査によってあるランキングが発表されました。それは現在ヨーロッパで最も多くプロサッカー選手を輩出しているクラブを順に並べていこうというものです。ヨーロッパと言ってもここではイングランド・スペイン・ドイツ・フランス・イタリアの主要5リーグに属するクラブを対象にしています。この5リーグ以外に属するクラブがこのランキングに入る場合は赤色でその名前が示されています。

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表には三種類の数字が示されています。左から順に【in the club】【in another big-5 club】【total】。【in the club】には自分が育ったクラブのトップチームでプレーしている選手の数が記されています。【in another big-5 club】には他のクラブのトップチームでプレーしている選手の数が記されます。【total】はその合計です。スペインのクラブを黄色でマーキングしてみました。上位25クラブの中に8つもスペイン勢が入っていることがわかります。またこれらの選手の数を合計してみると200人になりました。この数は5カ国の中で最も多いものです。

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次に続くのがフランス勢で7クラブがベスト25に入っています。選手の数では164人。3番手はドイツ勢で3クラブです。 選手の数では53と大きく落ちます。こうして見てみるとスペインという国から如何に多くのプロ選手が輩出されているかが伺えます。スペイン勢の中でもトップ2はFCバルセロナとRマドリード。さすがですね。彼らは育成年代でもスペイン全土にスカウト網を張り、国内の最も優れた選手を獲得することができます。そして近年はその活動範囲はスペイン国外にまで伸ばし、世界中の優れた才能をクラブの下部組織に招き入れる環境にあるといえます。事実、両クラブともに日本人の選手を抱えています。

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この両クラブの後を追うのがバスク地方の2クラブです。赤と青で記しを入れています。アスレチック・ビルバオレアル・ソシエダです。彼らは全ランキングの中でベスト6位に入っていますね。スペインという育成大国の中でも、そして世界的な基準で見てもこの地域から多くの優秀な選手が輩出されていることを意味します。

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これは凄いことです。なぜなら前述したようにFCバルセロナやレアル・マドリードの下部組織が世界中から若い才能を獲得しているのに対して、彼らはバスク地方だけで活動しているからです。彼らが活動する範囲の総人口は約340万人。日本の都道府県でみてみると静岡県全体の人口と同じくらいです。

自給自足のバスクサッカー

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最後に1つ、着目すべき点があります。ランキング表内の【in the club】という項目に注目してみて下さい。アスレチック・ビルバオ、レアル・ソシエダ両クラブとも15という数字が出ています。この数はこの表の中でも最も多い数です。つまり15人の生え抜き選手がトップチームで活動していることになります。このことで何が言えるのでしょうか?それは限られた活動範囲の中で、確かな素材を確実にプロに仕上げる術を彼らが持ち合わせていると言えます。才能を漏れなく見つけ出し、それを確実に育て上げ、自分たち自身でそれを使う。正に自給自足型サッカークラブのモデルケースと言えるでしょう。

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