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記憶に残るフットボール 2

ディエゴ・マルティネスの挑戦 〜CAオサスナ実力派青年監督〜

スペイン2部リーグ第11節CAオサスナ対FCバルセロナBはスペインらしい戦術的技術的にハイレベルな見所の多い試合になりました。両チームともこれからのスペインサッカーを牽引していく若くて優秀な青年監督同士を抱えての対戦でした。同世代の2人は全く異なったバックボーンを持ちながらも同じように今季から新し い現場でチャレンジしています。diegomartinez1バルサBを率いるジェラール・ロペス監督は元バルサの選手でスペイン代表でもプレーした経験もある既に有名なサッカー指導者です。今年はバルサBというクラブ内の育成最終段階に当たるチームを率います。そこには若く、才能に溢れ、今後が楽しみな選手達がいました。攻撃の中心で10番エースのCarles Alenaやその隣でインサイドハーフをこなすブラジル人アタッカーVitiho、左利きサイドバックのCucuは98年生まれです。中盤の底で攻撃の舵を切るOriol Busquetsやセンターバックでスタメン出場したJorge Cuencaに関しては日本の高校3年生と同じ99年生まれというのですから驚きです。中でもCarles Alenaは間違いなく今後のスペインサッカーを背負っていく逸材だと言えるでしょう。左利きでありながら両足での懐の深いオープンなコントロールには誰もが驚かされますし、何よりあのサッカー“センス”には観るもの皆がため息をつかされます。数年前の2部のマジョルカでプレーしていたマルコ・アセンシオを見ているようです。そんなバルサBは前半質の高いポゼッションフットボールでオサスナの訓練されたコンパクトなサッカーを何度か掻い潜り2点を先制します。diegomartinez2一方のオサスナはどうか。このクラブはスペインサッカーにとって非常に重要なサッカークラブです。事実そのスタジアムEL SADARはスペインプロリーグ中で最もスタジアムの雰囲気の強いスタジアムの一つとして知られます。そこではパンプローナの街の人々による誇りや情熱そして圧倒的なプレッシャーが訪れるライバルチームを威嚇します。そんなオサスナはこの夏は監督にディエゴ・マルティネス氏を招聘。若干36歳です。スペインで若手実力派監督の名前を挙げる際に彼のことは無視できないでしょう。プロ選手としての実績がない中、若くして監督としてのキャリアをスタートさせます。スペイン4部のチームを率いていた際にその実績をモンチ氏(現ローマ・前セビージャFCの強化ディレクター)を評価され、9年前にセビージャFCの組織に入ります。そこからメソッド部門、トップチームアシスタント、Bチーム(U23)監督として着実に経験を積んできました。Bチームで指揮をとった際は就任一年目でチームを3部に残留させ、翌年には2部へと昇格させます。その後2部でも若い選手達と共に素晴らしいポゼッションサッカーを繰り広げ国内で大きな注目を浴びることになります。私たちフッボラも昨年セビージャに行って練習を見学してきましたがその質の高いトレーニングに魅了されました。diegomartinez3そんなディエゴは遂に“オサスナ”まで到達します。今回のオサスナでの仕事も彼にとって大きなステップアップでありチャレンジでした。なぜならこれまでセビージャで抱えてきた選手達とは年齢もタイプも異なる選手を抱えることになるからでした。そして何よりプレッシャーが違います。スペイン2部ではビッククラブであり、何より60万人のナバーラ州の願いを一身に背負う仕事なのですから。そんなディエゴがたどり着いたオサスナにはボールを握ることよりもよりスペースに向かってプレーすることを得意とする選手が多く在籍していました。そんな状況下でディエゴは442の構造の中で多くのオプションを持つチームを作り上げることに成功します。2トップは戦術的に柔軟で、時には降りてきビルドアップに参加するかと思えばスペースに流れたり、高い位置を取ることでサイドの選手が中に入ってこれるよう配慮するプレーもします。その時はしっかりサイドバックも前のスペースに関わっていきます。そんな横にも縦も自由自在にフットボールを操るディエゴのオサスナの一番の強みはきっとそのプレーリズムの高さでしょう。この試合、退場者が出て10人になりながらもバルサBの選手達を覇気と運動量で圧倒します。1人少ない状態での戦術的オーガナイズも見事でした。遠い選手がしっかりスペースを埋め、人数をかけて攻撃を仕掛けます。彼の仕事は本物だと思います。diegomartinez4間違いなく今年スペインで最も注目するべきチームの一つでしょう。頑張れそしてありがとうディエゴ!

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