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記憶に残るフットボール 1

サッカー界の魔封波343(菱形) 〜カルロス・テラサス監督から学ぶ〜

カルロス・テラサス55歳。スペインサッカー界の大ベテラン指導者です。
目先の結果だけでなく、そのクラブを長期的な視点で成長させていくことに重きを置く監督としても知られています。事実、彼のクラブ内での役割はイングランドのマネージャーと限りなく似ていて、現場の指導だけでなく強化部の仕事もこなします。昨年まで3シーズン、スペイン2部ミランデスで指揮をとる試合を終え、現在は2年前に3部に降格したポンフェラディナの再生プロジェクトの指揮をとっています。アスレチック・ビルバオで育成ダイレクターも務めたことからはサッカーをアカデミックに思考できる人であることがわかります。そんなテラサス氏はスペインを代表するポジショナルプレーの信仰者でもあります。今でこそポジショナルプレーという言葉が一般的になっていますがテラサス氏はそのポジショナルプレーをずっと昔から志向している数少ないベテラン監督でしょう。その証拠に近年の彼のチームはポジショナルプレーを目指す上で究極的システム343菱形を使用しています。サッカー界で最も攻撃的だと言われると同時、その扱い方を誤ると自身の身を滅ぼすことからサッカー界の“魔封波”とも呼ばれているこのシステム。事実プロリーグでこのシステムを使う人は誰もいません(最近ではマンチェスターシティのグアルディオラ監督が変則的にこのシステムを使っています)。因みにアスレチック・ビルバオの下部組織は皆343菱形でやっていますがそもそもの目的が違います。この場合は強化という意味合いよりも寧ろサッカー的な教育の意味合いが強いでしょう。carlosterrazas3343菱形ではピッチを縦にも横にもしっかりを埋めることができます。より一般的な433との違いは前進するための縦へのパスコースがより凄く多いということ。よりピッチの中に深みが多いわけですね。このシステムではボールのスピードと正確性が求められます。テラサス氏はこのボールのスピードそしてボールの正確性を高めることでプレーリズムを確保することができると言います。これは自チームの選手の多くをボールより前に配置してポジション有利を獲得しながらゲームを支配するポジショナルシステム(433,343菱形)では基礎を築くコンセプトです。ですのでゴールキーパーがビルドアップに参加することは必須条件です。事実テラサス氏はコーチングスタッフの中にゴールキーパーコーチを置かず常にキーパーはフィールドと一緒に練習させることでも有名です(これには賛否両論あるでしょう!)carlosterrazas4サッカー的に選手に非常に多くの要求をする厳しい監督としても知られています。なぜならポジショナルプレーをする上で選手に一番求められるは、“間違わない”ことだからです。どのタイミングでどこにボールを届けなければいけないのかに関する判断が非常に大事なってきます。その為の細かなディティールに拘らなければいけません。ピッチを幅広く埋めているので常にボールを持っている時には長短・中外に解決策があります。しかしそれは同時に自陣に大きなスペースを作っていることを意味し、ボールを失った際は相手に大きな時間と場所を提供することに繋がります。如何に間違わないか、如何に事前に情報を得て正確にそして速くボールを動かせるかか鍵です。ですので他のシステムを使ってプレーする際うよりも選手の判断がゲームの進行に大きく影響するわけですね。carlosterrazas2

ボールを持っていればいる程破壊力が増す一方ボール持っていなけれ圧倒的に脆い343菱形。結果が求められるプロフェッショナルの世界で実践する監督はカルロス・テラサスを除いてほとんど存在しません。フッボラはテラサスの大ファンです!頑張れカルロス!頑張れポンフェラディナ!

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