J13 VAL-BAR0

リーガを観て指導する 第13節

スペースを使って攻撃するValenciaとボールを使って攻撃するBarcelona

間違いなく今年のリーガ一番の試合。リーグ戦1試合も負けていない2位のバレンシアホームに1位のバルサが乗り込むカードです。バルサは勝ち点を見ると非常に好調で、この近年では最も多くポイントを稼いでいるシーズン序盤を迎えています。そんな今スペインで最も強い2チームのぶつかり合いはこの週末、世界で最も魅力的な対戦カードだったことででしょう。その魅力は決して勝ち点の多い上位対決にのみあるわけではありません。それは対局にある両2つの哲学がぶつかり合うというところに一番の魅力があったような気がします(しかもそれがバレンシアのホームで)。スペースを使って攻撃をする方が勝つのかそれともボールを使って攻撃する方が勝つのか。世界中が見守る大一番でした。結果はというと、引き続きリーグ戦の行方はどうなるか分からない、よりリーガをオープンにするものになりました。J13 VAL-BAR1バレンシアが準備した脚本は明らかでした。バルサを中央に寄せ付けて外を突き、最終的にツートップは中で仕事をする。試合後バルサのバルベルデ監督も「Guedes(ゲデス:ポルトガル人サイドアタッカー)は本当に厄介だった。」とバレンシアのサイド攻撃に手を焼いたことを認めます。そんなバルベルデ監督は今季からバルサを率いているわけですが採用するシステムは442菱形。ラキティッチとイニエスタによるインサイドハーフ、メッシとスアレスが前にいて、今節はその後ろトップ下にパウリーニョを配置します。このパウリーニョの起用はボールを失った瞬間のプレッシングの強化が目的だったのでしょう。事実、ボールを失った瞬間のバルサは非常に攻撃的でした。バレンシアのカウンターをことごとく摘んでいくその姿勢はアグレッシブなあのペップ時代のバルサのプレッシングをも彷彿させるものでした。しかしサッカーというのは難しいもので一方が目立っている時、その理由は決してその目立っている側にだけあるわけではありません。バルサが良かったのも勿論あるでしょう。明らかにそれを守備してきたのだろうというのがはっきり見える程全員からその意識が見受けられまいた。しかし、バレンシアが良くなったのも大きな理由です。あまりにも攻めたいゴールから遠いところで守備ブロックを敷き過ぎました、それは特に前半。試合を見る限りそれはバルサがバレンシアを押し込んだからというよりもバレンシア自身が好んでその高さを選んだように見えたからです。J13 VAL-BAR2.5ボールロスト時に良いプレッシングをしようと思った時に大事なことは何でしょう?勿論切り替えて直ぐにプレッシングに行くことを強調することです。しかしそれと同時に、相手を前に走らせない為に相手を後ろに走らせることが大事です。しかしこの日のバルサはバレンシアを後ろに走らせることはできていませんでした。バルサはマイボール時は専ら幅に偏り、深みは少殆どありません。きっとバレンシアのプランニングがもう少しアグレッシブなものだったら前半の模様は違っていたのだと思います。

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